雇用調整・正社員化の助成金 目次

2008年のリーマンショック以来、拡充されてきた助成金は「雇用を守る」雇用調整関連の助成金と、
「雇用を安定させる」、正社員化の助成金と言えるでしょう。頻繁に拡充され、種類も増えています。

■雇用調整関連の助成金
中小企業緊急雇用安定助成金 : 中小企業向けの休業・教育訓練に伴う手当補助の助成金です。震災特例あります。
雇用調整助成金 : 規模の大きい会社向けの休業・教育訓練に伴う手当補助の助成金です。震災特例あります。
労働移動支援助成金 : 労働者の再就職支援のための助成金です。
建設労働者緊急雇用確保助成金 : 建設業界の新分野進出、離職に対応した助成金です。

■正社員になるための助成金
均衡待遇・正社員化推進奨励金 : パートタイマー、契約社員の方を正社員に直した場合の助成金です。
試行雇用奨励金 : 試用期間の賃金の一部を補助します。
若年者等正規雇用化特別奨励金 : フリーターだった若者を正社員にした場合の助成金です。
派遣労働者雇用安定化特別奨励金 : 派遣労働者を正社員にした場合の助成金です。
3年以内既卒者 トライアル雇用奨励金 : 3年以内の既卒者を有期から正規雇用にした助成金です。震災特例あります。
3年以内既卒者(新卒扱い)採用拡大奨励金 : 3年以内の既卒者を正規雇用した助成金です。震災特例あります。

均衡待遇・正社員化推進奨励金

パートタイマー、契約社員→正社員のための助成金です。

★ どんな助成金か?
企業がパートや契約社員、派遣社員など非正社員を正社員にする動きを後押しする助成金です。中小企業の正社員化推進を助成する制度を就業規則に盛り込み、実際に正社員化すれば支給されます。

★ いくらもらえる?
正社員転換制度
正社員転換制度作成、1人を転換。 中小企業40万円 大企業 30万円
正社員になった人が2人以上出る。(10人まで)中小企業 20万円 大企業 15万円
2人目以降母子家庭の母 中小企業30万円 大企業 25万円

共通処遇制度
正社員と共通の処遇制度を導入 中小企業60万円 大企業 50万円

共通教育訓練制度
正社員と共通の教育訓練制度 中小企業40万円 大企業 30万円

健康診断制度
パートタイマー、有期契約社員に4人以上健康診断 中小企業40万円 大企業 30万円

短時間正社員制度
短時間正社員制度作成、1人を適用。中小企業40万円 大規模企業 30万円
短時間正社員になった人が2人以上出る。(10人まで) 中小企業20万円 大規模企業 15万円
2人目以降母子家庭の母 中小企業30万円 大規模企業 25万円

★ 受給のポイント

正社員転換制度
・6ヶ月以上の期間、有期雇用労働者として、正規の従業員として6カ月以上直接雇用される労働者であること
・1人以上が、事業主に直接雇用され、期間の定めのない労働契約を締結する労働者であること  等

共通処遇制度
・職務または職能に対応した格付け区分を3区分以上設けていること。正社員の処遇制度の区分と2区分以上同じであること
・同一区分における、正社員とパートタイム労働者・有期契約労働者の待遇の均衡が図られていること 等

共通教育訓練制度
・パートタイム労働者・有期契約労働者に正社員と共通のカリキュラム内容と時間などで実施するもの。
・Off-JTで賃金の他、諸経費を全額事業主が負担するものであり、6時間以上であること。等

健康診断制度
・雇入時健康診断、定期健康診断、人間ドック、生活習慣病予防検診のいずれかを導入すること。
・前2つは全額、後ろ2つは半額以上を負担したこと。労働安全衛生法で実施が義務づけられていないこと。等

短時間正社員制度
・1日の所定労働時間を短縮する制度。(1日の所定労働時間が7時間以上の場合、1時間以上短縮すること)
・週又は月の所定労働日数を短縮する制度 (1週間当たりの労働日数が5日以上の場合、1日以上短縮する制度) 等

3年以内既卒者(新卒扱い)採用拡大奨励金

卒業後3年以内の、新規学卒者の正規雇用のための助成金です!

★ どんな助成金?
卒業後も就職活動を継続中の、大学等を卒業後3年以内の方を、正規雇用した場合に支給されます。

★ いくらもらえる?
正規雇用から6か月経過後 : 100万円支給(1社1回限り)
東日本大震災地域では120万円支給(1社10人まで)

★ 受給のポイント

未内定新卒者の要件
・平成20年3月以降の新規学卒者(高専、大学院、短大、専修学校含む。中学・高校は含まず)
・または平成22年度に大学等の卒業を予定している者。
・ハローワークに求職登録

事業主の要件
・ハローワークに大卒者等も応募可能な求人を出すこと。
・雇用期間の定めがなく、1週間の労働時間が正社員と同程度で、雇用保険の一般被保険者として雇用すること。

★ 社労士よりひとこと
正規雇用開始から6ヵ月後、支給申請します。計画の提出は必要ありません。

大震災特例はこちら

3年以内既卒者 トライアル雇用奨励金

卒業後3年以内の、新規学卒者の正規雇用のための助成金です!

★ どんな助成金?
卒業後も就職活動を継続中の、高校・大学等を卒業後3年以内の方を、正規雇用に向けてまずは3ヶ月の有期雇用をした場合に支給されます。

★ いくらもらえる?
有期雇用期間(原則3か月) : 1人月10万円、最大30万円。
正規雇用移行から3か月後  : 一時金50万円(東日本大震災被災者は60万円)

★ 受給のポイント

未内定新卒者の要件
・平成20年3月以降の新規学卒者(中学、高専、大学院、短大、専修学校含む)
・または平成22年度に大学、高校、中学等の卒業を予定している者。
・卒業後1年以上勤めていない40歳未満。
・ハローワークに求職登録

事業主の要件
・ハローワークに「既卒者トライアル求人」を出すこと。
・雇用期間の定めがなく、1週間の労働時間が正社員と同程度で、雇用保険の一般被保険者として雇用すること。

★ 社労士よりひとこと
有期雇用終了後と、正規雇用開始の支給申請のほかに、有期雇用を開始した後、計画の提出が必要です。

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中小企業緊急雇用安定助成金

事業活動の縮小をするときの定番助成金です。しくみは似ていますが、雇用調整助成金とは別の助成金です。

★ どんな助成金か?
事業活動の縮小をする場合に休業、教育訓練または出向を行う場合にそれらに伴う賃金負担額の一部を助成するものです。

★ いくらもらえる?
休業    … 1人1日分の大臣が定める額の5分の4(中小事業主に限る)
教育訓練 … 1人1日分の大臣が定める額の5分の4 + 1人1日6,000円(事業所内訓練は3,000円)
出向    … 出向元事業主の負担額の5分の4

10分の9に上乗せ:休業等開始の前6ヶ月と、休業等開始後1ヶ月の判定期間中に解雇や労働者の減少が20%に抑えられていること、あるいは障害を持つ方が休業した場合。
支給限度日数 : 3年間で300日まで

★ 受給のポイント

○ 事業活動の縮小とは最近3か月に生産量などの指標が増加していないことを言います。それを余儀なくされたこと(季節、事故、災害、法令違反を除く)

○ 生産量が直近3ヶ月の対前年同期比または直前3ヶ月より5%以上減で(月次の生産高などの証明が必要、生産月報など)であること。ただし,5%未満の減の場合は決算書が赤字であること。

円高によるもの、宮崎県の口蹄疫、または新型インフルエンザ、鳥インフルエンザ、東北地方太平洋沖地震等の休業については、直近1ヶ月の直前1ヶ月に緩和します。

○ 休業は全1日もしくは時間短縮。教育訓練は半日以上行われること。事業内外または公共職業能力開発施設等で行われること。

○ 出向は3か月以上1年以内であること。同意を得たものであること、複数回出向する場合、1回目の出向から2回目の出向までは、時を置かなくていいことになりました。

○ また労働者は雇用保険の被保険者として継続して雇用された期間が6カ月以上あること

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建設労働者緊急雇用確保助成金

パンフレット

2種類の助成金からなります。
★どんな助成金?

☆新分野教育訓練
建設業から別な事業に進出する事業主が必要な教育訓練を行った場合に支給されます。

☆離職者雇用開発
建設業以外の事業主が、建設業から労働者を雇用した場合に支給されます。

★いくらもらえる?

☆新分野教育訓練 : 教育訓練経費の3分の2(1日20万円、60日分を限度)
               労働者1人日額7000円(60日分を限度)

☆離職者雇用開発 : 事業主の規模に応じて25~90万円 

★受給のポイント

☆新分野教育訓練
・新分野を開始すること。
・教育訓練の計画を立てること。
・1年以上雇用されていて、引き続き雇用されること。

☆離職者雇用開発
・建設業離職者や、建設個人事業主などを雇い入れること。
・資本金・人事など、もとの事業主と密接な関係にないこと。

試行雇用奨励金

試用期間の賃金の一部を補助します・・・・

★ どんな助成金か?
就職の困難な特定の求職者層について、一定期間の試行雇用することにより、その適性や業務遂行可能性を見極め、求職者及び求人者の相互理解を促進すること等を通じて、これらの者の早期就職の実現や雇用機会の創出を図ることを目的としています。

★ いくらもらえる?
1ヶ月に4万円で最大3ヶ月で12万円支給

★ 受給のポイント

・ どういう人を雇うか?

○ 45歳以上65歳未満の中高年齢者、 
○ 40歳未満の若齢者、
○ 母子家庭の母、○ 障害者、○ 日雇い労働者、○ホームレス等

・ 雇用保険の適用事業主であること(事前に求人票に“トライアル雇用”として載せておくこと
・ 試行雇用開始前6ヶ月間解雇がないこと
・ 試行雇用開始前6ヶ月間特定受給資格者を3人以上出していないこと
・ 2年間労働保険納入実績があること
・ 3年間不正行為をしていないこと

社会保険労務士より一言
中高年齢者に加えて、若年者の雇用を改善しようと作られた助成金です。特に40歳未満の若い方の雇用を考えておられる場合はぜひご活用下さい。活用の仕方で他の助成金とつながってきますし、ヒトを雇う限り何度でも使えるのが最大のメリットです。

2011年12月15日以後、有期実習型訓練は、キャリア形成促進助成金と試行雇用(トライアル雇用)奨励金の併給の活用が可能となります。併給の場合の訓練期間は3か月とし、トライアル雇用期間の延長と併せた訓練期間の延長を可能とする。また、延長期間については併給されず、キャリア形成促進助成金で対応します。

雇用調整助成金

事業活動の縮小をするときの定番助成金が新しく使いやすくなりました!中小企業緊急雇用安定助成金とは別の助成金になります。規模が大きい事業所のための助成金です。

★ どんな助成金か?
大企業(50~300人以上)が事業活動の縮小をする場合に休業、教育訓練または出向を行う場合にそれらに伴う賃金負担額の一部を助成するものです。

★ いくらもらえる?
休業・時間短縮    … 1人1日分の大臣が定める額の3分の2
教育訓練 … 1人1日分の大臣が定める額の3分の2 + 1人1日4,000円(事業所内訓練は2,000円)
出向    … 出向元事業主の負担額の3分の2

・4分の3に上乗せ:休業等開始の前6ヶ月と、休業等開始後1ヶ月の判定期間中に解雇や労働者の減少が20%に抑えられていること、あるいは障害のある方を休業させた場合。

・支給限度日数 : 3年間で300日まで

★ 受給のポイント

・ 事業活動の縮小を余儀なくされた雇用保険適用事業主(災害、法令違反等を除く)
・ 生産量が対前年同期比あるいは最近3ヶ月の直前3ヶ月より5%以上減っている。
・ 休業    : 1時間以上であること 等
・ 教育訓練 : 半日以上で社内や外部、公共職業能力開発施設等で行われること。
・ 出向    : 3か月以上1年以内であること。同意を得たものであること 等

◎ 以下の規模を超える企業が対象となります。それ以下は「中小企業緊急雇用安定助成金」の対象となります。
小売業(飲食業含む) 資本金5,000万円超 従業員50人超
卸売業        資本金1億円超 従業員100人超
サービス業        資本金5,000万円超 従業員100人超
その他の業種 資本金3億円超 従業員300人超

資本金の額と従業員の数、両方満たしていますと、中小企業緊急雇用安定助成金ではなく、雇用調整助成金の対象です。

○ また労働者は雇用保険の被保険者として継続して雇用された期間が6カ月以上あることが要件となりました。

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派遣労働者雇用安定化特別奨励金

派遣の方を正社員にした場合の助成金です。

★どんな助成金?

労働者派遣契約の終了前に派遣先への直接雇用を促進することにより派遣労働者の雇用への悪影響を軽減し、雇用の安定に資するため奨励金を支給します。

★いくらもらえる?

①期間の定めのない雇用の場合1人につき    中小企業 100万円 大企業 50万円
②6ヶ月以上の有期雇用である場合1人につき   中小企業  50万円 大企業 25万円

★受給のポイント

○対象事業主 : 次の全ての要件が必要です。
・雇用保険の適用事業主。
 ・派遣の受け入れが6ヶ月を超えること。
 ・派遣可能期間が満了するまでに、派遣労働者を直接雇用すること。
 ・労働者を雇用保険の被保険者にし、引き続き6ヶ月以上雇い入れること。

若年者等正規雇用化特別奨励金

{年長フリーター、内定を取り消された学生等}のための特別奨励金という副題が付いています。

★どんな助成金?

主として25歳以上40歳未満の年長フリーターの安定した雇用を促進するため、トライアル雇用・有期実習型訓練終了後に雇用期間の定めのない労働契約により継続した雇用する事業主に対し奨励金を支給します。

★いくらもらえる?

中小企業 100万円 大企業 50万円

★受給のポイント

○対象労働者 
 ①直接雇用型:ハローワークからの紹介で正規雇用する場合(25~40歳未満)
 ②有期実習型訓練修了者雇用型:有期実習型訓練が終わった方を正規雇用する場合(25~40歳未満)※2011年11月で予算が切れました。
 ③トライアル雇用活用型:ハローワークからの紹介でトライアル雇用する場合(40歳未満)
 ④内定を取り消された就職未決定者を正規雇用する場合(40歳未満)

・①、②については雇用前、1年間は雇用保険の被保険者でなかったという要件があります。

★社労士よりひとこと

試行雇用奨励金との併給をお勧めします。また3年以内既卒者 トライアル雇用奨励金や、3年以内既卒者(新卒扱い)採用拡大奨励金などとともに、求人票に記載することも可能です。

労働移動支援助成金

「離職を余儀なくされる」労働者のために…

★ どんな訓練?
「再就職援助計画」を作成した事業主が労働者の求職活動のための休暇付与、再就職の実現のために支給される助成金です。2種類あります。

★ いくらもらえる?
(求職活動等支援給付金)
求職休暇付与 1日7,000円(大企業は4,000円) 限度額1人30日分

(再就職支援給付金)再就職費用   
かかった費用の2分の1(大企業はなし)  限度額40万円

★ 受給のポイント

・雇用保険の適用事業所であること
・再就職援助計画を作成している事業主
・保険料の滞納・助成金の不正受給がないこと

○ (求職活動等支援給付金)休暇に通常賃金以上の賃金を払うこと。離職の2か月以内に申請。
○ (再就職支援給付金)離職から3か月以内に再就職を実現すること。